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マタハラ編③~マタハラになりうる事例と防止措置・対応方法

飯塚匡春

2022.11.28

マタハラになり得る事例とは?対応事例も!

マタハラになり得る事例とは?対応事例も!
妊娠・出産において嫌がらせを受ける「マタハラ(正式名称:マタニティハラスメント)」。
新聞やニュースでも取り上げられることが増え、依然として相談件数も非常に多いままです。

今回は、マタハラになり得る事例とマタハラ防止のための対応事例について解説いたします。

マタハラになり得る事例

◆マタハラになり得る事例

①上司への妊娠報告後、「他の人を雇うので辞めてもらうしかない」と仕事を辞めるよう催促された
②妊娠・出産・育児と負担が重いだろうから楽な業務に変えると言われ、これまでと異なる業務に一方的に配置された
後者は一見すると気遣いのようにも思えますが、本人がそれを望んでおらず、かつ一方的な措置であればマタハラとなります。

以下のように産休・育休を認めないこともマタハラになります。

①妊婦健診のために休暇を取得したいと上司に相談したら、「病院は休みの日に行くものだ」と言われた
②妻の出産間近に休暇を取得しようとしたら「出産するのは奥さんだろう」と言われた
このように、育休に関するマタハラについては、対象は女性社員に限るものではありません。

時短勤務に対する以下のような嫌がらせもマタハラに当たります。

①上司から「残業できないなんて、使えない」と言われた
②同僚から「あなたが早く帰るせいで、周りは迷惑している」と何度も言われた
上司からの発言だけでなく、同僚からの発言の場合でも、それが何度も繰り返されるとマタハラとなることに注意が必要です。

マタハラを防止するための対応事例

マタハラを防止するために実際に企業で行われている対策方法を紹介します。

①懲戒規定に記載する
就業規則の懲戒事由という項目において、懲戒事由にマタハラが含まれることと、及び戒処分にあたっての判断要素を明記している事例があります。 具体的な言動と懲戒の種類と対応させる形で定めることで、どのような言動をとってはいけないのかということがイメージしやすくなります。
②就業規則に明記されていない事項をパンフレットなどで周知する
上記のように就業規則において懲戒規定が定められており、その中にマタハラへの対処方針・内容などが含まれている場合には、それをパンフレット、チラシ、社内報、社内ホームページなどで周知することで、一歩進んだ対策をとることができます。

ここまで見てきた通り、女性社員の妊娠・出産・子育てを理由にした休業、時短勤務は労働基準法、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法などにより保証されています。

ハラスメントに一番有効な対策は“、予防”です。職場での予防対策をしっかり整えることが、マタニティハ ラスメントの無い健やかな職場環境を作り出すことにつながります。

今回ご紹介した事例を参考に、マタハラ問題及びその対策について考えてみてください。

まとめ

今回は、マタハラになり得る事例とマタハラを防止するための対応事例について紹介しました。

「今までの業務は大変だろうから」という気遣いのもと、妊娠している従業員の配置を変更する場合でも、該当従業員がそれを「望んでおらず」、企業の「一方的な決定」だった場合はマタハラになってしまうというのは、意外かもしれません。

しかし、妊娠しても意欲的に業務に取り組みたい従業員にとっては、自信を失うきっかけになってしまったり、自分の意思が蔑ろにされたと感じてしまうこともあります。

大切なのは、従業員とコミュニケーションをとることで相互理解に努めることです。

従業員が何を考えて、感じているのか、上司や同僚と共有することで、マタハラ対策を実現することができるかもしれません。

社会保険労務士法人ADEPTでは、人事担当者や従業員が抱えている問題に対して解決する

ために、様々な視点から解決方法やノウハウなどを取り上げて参ります。

労務相談は弊社担当者までお気軽にご相談ください。

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