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事業再構築補助金 第5回公募開始!制度の見直し・拡充まとめ

飯塚匡春

2022.01.21

事業再構築補助金のスケジュール

令和4年1月20日から第5回公募が開始され、さらにこの後3回程度の公募が行われる予定です。

【第5回公募】
公募期間:令和4年1月20日~令和4年3月24日
申請受付:2月中旬 開始予定

【第6回公募~】
令和4年にさらに3回程度の公募を実施予定

補正予算案における事業再構築補助金の見直し・拡充は、主に第6回公募からかかわってくることになります。

事業再構築補助金の見直し

令和2年度3次補正予算において1兆1,485億円という額が投入された事業再構築補助金は、令和3年度の補正予算では6,123億円が充てられる予定です。これまでも、必要に応じて事業再構築補助金の見直しや拡充が行われ、中小企業等の事業再構築支援と、日本経済の構造転換が進められてきました。事業再構築補助金について、今後予定されている見直し・拡充内容は以下のとおりです。

 

  • 回復・再生応援枠の新設
  • グリーン成長枠の新設
  • 通常枠の補助上限額の見直し
  • 売上高10%減少要件の緩和
  • 新事業の売上高10%要件の緩和
  • その他運用改善等

業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者への重点的支援を継続しつつ、売上高減少要件の緩和などを行って、使い勝手を向上させる方針が明らかになっています。

回復・再生応援枠の新設

▼第6回公募~
引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象として「回復・再生応援枠」が新設され、これに伴い緊急事態宣言特別枠は廃止となります。

補助金額は従業員数によって異なりますが、最大1,500万円まで、中小企業については補助率を3/4に引き上げて(通常枠は2/3)手厚く支援するとのことです。また要件緩和として、『事業再構築指針の要件』について、主要な設備の変更を求めないこととする、といった緩和を行うとしています。

【対象事業者】
通常枠の申請要件に加え、以下の(1)または(2)のどちらかを満たすことが求められます。

(1)2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少していること
(2)再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)

出典:事業再構築補助金令和3年度補正予算案の概要

グリーン成長枠の新設

▼第6回公募~
グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、補助上限額を最大1.5億円まで引き上げた「グリーン成長枠」が新設され、これに伴って卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止となります。この枠では、売上高10%減少要件が課されないところがポイントです。グリーン成長枠の例としては、ガソリン車向け部品から電気自動車等向け部品製造への事業転換が挙がっています。

【対象事業者】
(1)事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること(補助額3,000万円超は金融機関も必須)

(2)補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加または従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること
(※通常はそれぞれ年率平均3.0%以上増加)

(3)グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取り組みとして記載があるものに該当し、2年以上の研究開発・技術開発または従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと

出典:事業再構築補助金令和3年度補正予算案の概要

通常枠の補助上限額の見直し

▼第6回公募~
通常枠の補助額について、従業員規模に応じ、従来の上限額4,000万円、6,000万円、8,000万円から2,000万円、4,000万円、6,000万円、8,000万円に見直しが行われます。限られた政策資源でより多くの事業者を支援するための措置とのことです。

出典:事業再構築補助金令和3年度補正予算案の概要

売上高10%減少要件の緩和

▼第6回公募~
売上高10%減少要件について、「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」のみを要件とするよう、要件が緩和されます。これにより、売上高減少要件の「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」が撤廃となります。

出典:事業再構築補助金令和3年度補正予算案の概要

第5回公募までは「コロナ前後を比較して10%以上減少していれば、2020年10月以降はコロナ前と比べて5%以上の減少でも申請可」でしたが、第6回公募から「コロナ前後を比較して10%以上減少していれば申請可」となりました。

第6回公募以降、通常枠の主な要件は以下のようになります。
(1)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること

(2)事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること(補助額3,000万円超は金融機関も必須)

(3)補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること

(※回復・再生応援枠(再生事業者を除く) 、最低賃金枠は、売上高10%減少要件とは別に、単月で30%以上の減少が必要になります)

運用改善等

◆補助対象経費の見直し(貸工場賃借料)※第5回公募~
補助事業実施期間内に工場の改修等を完了して貸工場から退去することを条件に、貸工場の賃借料についても補助対象経費として認められます。貸工場の賃借料、貸工場への移転費など、一時移転に係る費用は補助対象経費総額の1/2を上限とします。

◆農事組合法人の対象法人への追加※第5回公募~
事業再構築への一定のニーズがあることを踏まえ、農事組合法人が対象法人に追加されます。

◆補助対象経費の見直し(建物費・研修費)※第6回公募~
「建物費」については、原則、改修の場合に限ることとし、新築の場合には一定の制限が設けられます。「研修費」については、補助対象経費総額の1/3が上限となります

◆複数企業等連携型の新設 ※第6回公募~
1者あたり各申請類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することが認められます。この場合、売上高10%減少要件は、①各者で要件を満たすこと、②連携体合算で要件を満たすこと(ただし同月を用いる)のいずれかを満たすことで要件を満たすとしています。

◆事前着手の対象期間の見直し ※第6回公募~
事前着手の対象期間が、現在の2021年2月15日から見直されます。既に事前着手を開始している事業者の方は、第6回公募以降は対象経費として認められなくなる場合がありますので注意が必要です。

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